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ウエストコートの歴史

TAILOR KONGの去渡で御座います。

前回に引き続きベストのお話です。

ベストは上着、ズボンとともに構成されるスリーピーススーツのパーツで、

シャツと上着の間に着用する中衣または胴着といわれるものを指します。

時代や国により名称や形が少しずつ変化してきたものの、その歴史をたどってみるとかなり古く、17世紀のイギリスで生まれています。

 

当時の余裕がない財政を引き締める目的から、豪奢で放縦な貴族の服装を改めさせる為に当時の国王、チャールズ2世が1666年10月7日に出した「衣服改革宣言」が発端とされていて、国王が服装を統一するために打ち出したベスト付きのスリーピースが、今でもイギリスのブリティッシュスタイルとして継承されています。

現代のベストは上着の下に着る袖がないものが一般的ですが、もともとは袖があり、15世紀後半から17世紀前半にかけてのヨーロッパではタブレットの名称で男性用の上着として用いられた。その後次第に着丈や袖丈が短く、身幅も細身になり、17世紀後半には防寒服から変化した上着を重ねて身に着けるようなった。

 

この頃のベストにはまだ袖があり、上着の袖口からはシャツではなくベストの袖先がのぞいていたそうです。

その後18世紀に入って上着が細身になるのに伴い、ベストは袖無しが当たり前になっていき、袖の無いベストはイギリスではウエストコート、フランスではジレの名称が定着しました。

イギリスの場合、ベストという言葉はアメリカ英語のアンダーシャツを、意味することが多いそうで日本でいう肌着ですね。

アメリカではベストと呼ぶが定義がゆるやかで、スーツの一部という考え方にとらわれず、袖がない中衣全般のことを指します。

 

日本でスーツが着用されるようになった時期は、西洋文化の流入が活発化し始めた幕末期から明治時代という説が有力ですね。

。西洋人と対峙して公平な商取引や交渉を進めるためには、同じような服装を整えるべきだという風潮が生まれたことによる。当時は政治家や企業家、裕福な人たちなど一定の層に限られていたが、大正時代になるとホワイトカラーを中心に一般の人たちにも着用されるようになったそうです。

 

普段は何気なく着ている服にも、必ず歴史があります。

知らなくても不便はしませんが知ると、当時の価値観や知恵などが、顕著に表れています、細かなデザインにも必ず意味があります。

その様な所に想いを馳せるとつくづくスーツは良いものだなと…

 

 

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