今回はナット釦についてです、そもそもナットとは何かというと

ヤシの実の種で作ったボタンのことを指します。

非常に長い歴史を持ちその加工のしやすさからあらゆる衣類に使用されています

 

「ヤシの実を使う」と聞くと皆様茶色を想像しますが

使うのは種の内側、淡いクリーム色（象牙色）をした部分です

この実をスライスしてつくるので実際は

白っぽいボタンが出来上がります

なので普段私達が目にするような写真のボタンは

実は後から茶色く染めているんですね

地色が薄いため、あらゆる色に着色可能なのもナットボタンの良いところ

 

そしてその染の過程でナットボタン最大の魅力

繊維の模様が浮き上がってきます

まるで年輪のような渦巻き模様が

天然の柔らかさや温かい印象を与えてくれます

（実際は非常に硬いのですが…）

 

 

またナットは天然素材＆後染め故に、経年によって色が変化します

さらに年輪が浮き上がり、色ムラが風合いとなって

さらにスーツを魅力的に見せます…が

これが昔はデメリットだったようです

 

実はナットボタンは昔は水に弱く

長く濡れた状態だと天然素材ですので

アクが出て、色落ちを起こすことがあったそうです

現在は技術が発展し、色落ちがないようコーティングがされ

真っ白なスーツでもない限り

気にする必要はなくなりましたのでご安心ください

 

またその頃の名残か、ナットボタン風合いを模した

プラスチック製のボタンなどもありますが

 

やはりナット特有の温かみや

経年による変化の楽しみには劣りますので

私は本物のナットボタンがお勧めです！